そこは、通貨がある。それが価値を交換するもの。
通貨があれば別のものと交換できる。買えるということ。
通貨を稼ぐには、それだけの稼げる能力がないとならない。自分にはこれだけしか稼げない。これでは生活していけない。若いときに無理をしてたときの財産を削っている。底をつくのはそう遠くない。
通貨によって人はおかしくもなる。だからもうおしまいだと思うし、ゆるやかにしぼんでいきなくなる。できれば平穏に健康でいたいと願う。

現世では諦めている。終わりである。それはどれだというのがこの記事をたまたま見て読んで言葉が見つかった。mess-y.com

夫の稼ぎが安定しているのならば、母親が幼い子供を預けてまで働く理由がない、という固定観念は2014年現在もなお日本に根強い。まず「男女つがいで婚姻関係を結び子を為す」ことが人間として“善”であるという前提のもとに、「男が外で働き、女が家と子供を守る」家庭こそが正しい家族の在り方だという主張である。

「女は稼げる男と結婚したら働かなくていい」「母親にとっての一番の仕事は育児」という観念がまかりとおる世の中は、多くの男女にとって様々な権利を阻害している。

タチが悪いのは、上記の主張を持つ側は全然悪気がなく、無意識に刷り込まれた価値観を疑いもしていないところだ。都議会の「産めないのか」ヤジ騒動も、根底はここだろう。「働くか子を産み育てるか」の二択を迫られれば、少子化国となるのも必然。

そういうことだ。そう思い込まされてしまっているが、それで実際に都合がいいのは一部の富裕層で、過去から財産を持っているとか。
あと記事元メモしてなくて忘れたが、日本には昔からある昔話で、悪い行いをしている人に悪いことが起きるのは当然であるという考えが刷り込まれているのとか、代々の家を守る的なことで夫婦別姓の問題とかがある。それにとらわれてしまっている。伝統的な家族観という。戦国時代的な。

そういう観念に沿わないのが、迷惑な人間だという重圧が生きにくくしている。
一人産んだらもう一人ということも。3人4人いたほうが上で、だから負い目がある。それは変わらないのだ。どうしようもない。得するのはごく一部の人なのに。

さまざまな理由で働けない人がいる。好きなことややりたいことを仕事にしているという人が全てではない。むしろそういう人のほうが少ないと思う。

kobeni.hatenablog.jp

今日読んだこちら。私はもっと上で40過ぎている。もともと容姿が劣っているのに、年取ったら老けるだけでさらにひどくなり、努力でカバーすることも苦手でできなくなった。
仕事も会社員でなくなったからバイトで少々しか稼げなくなった。能力はここまでだった。生きてるだけでせいいっぱい。

ただ若いころから可愛くて美人でアイドルとかの業界に入るような子でも、美人やかわいいのほかにひいでた能力がないと飛びぬけられないし、可愛かったり美人であることによる厳しさやデメリットも様々あるようだ。

容姿と能力が高いのが女性だったらアナウンサーだったりするだろう。それだって画一的な認識でしかない。
そうではない人々のほうがはるかに多い。
ではどうか、生きていられること、不潔感がなく不快感のない一般的な対話ができること。無意識に刷り込まれた幸せの価値観とかにとらわれない。
あるていど稼げて、健康的な楽しみが持てる生活ができる。

私は10代のころに出会った筋少と、水戸さんやケラさんや、ほかにも好きな音楽がたくさんあり、それを楽しむことで生きてきた。
夢とかいうのはわからなくなった。ベストをつくしたいと思い、ああしてはこうしてはとやってみるが、うまくいかなくて挫折している。
生活と子育てと、音楽を楽しむためには稼ぎが必要で、そのために自分ができることで稼がなくてはならない。

迷惑だと言われること、言われるまでもないがそう思われていれば、それは重圧になる。
楽しむことにおいて、ファン同士で利害が生じれば、そういう場面にあう。そういうのは私はつらいし、争いは避けたい。
ファンとして活動を応援したり、楽しみ続けたいという思いがある。そう思ってネットで書いてきたことも、同じファンにとっては不利益で迷惑だと思われることだった。だから一部は正しくても間違いであった。
オーケンが言ってた、SNSに否定的な考えは正しく、自分のほうが間違いであった。
例えばライブでこういうことがあった、こう言ってたってことが、オーケンの意図とは違う方向に伝わってしまったりすること、ウィキペディアなどに書いてあることは事実ではなく不本意だと思っていることがある。
そういうことを書いている人が、大槻さんにとって迷惑だから、書いてる人が迷惑だということだ。自分がここが楽しかった、よかったと思って書いていても、ファンによってはそう思われるということだった。
だからどうするか。そのような圧力で楽しむことを諦めることはしたくない。しかしネットで書くことを全て諦めたくはない。

挫折するかもしれないが、SNSでフォロワー広げるのはやめて縮小する方向にしたり、交友範囲を広げない。自分が楽しむことを大事にすること。ファンレターなどで感謝や応援を伝えること。クリエイティブな才能がないから、できることはそのくらい。クリエイティブな才能を持ったファンはすでに多くいて、良さは下の世代などに伝わっている。私が昔に活動休止で不安に思っていた、音源が再販されなくなったら忘れられてしまうのではないか、ということも全くなくなった。
私は楽しみつづけていければいい。

今しかない。いつしぬかわからないけど、未来が不安である。
会社員時代の収入で続けていられれば良かったのに、できなかった挫折と、この先の展望が見えない。

格差。住んでる地域とか、親の資産で決まる。
世間に迷惑がられること、足を引っ張られること、平等でないと、攻撃されるのが、生きづらいと思う。

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これだ。だから収入がないとダメだって若い頃から考えてたわけ。十分な収入がないと。
両親だってそこまでひどくないけど、専業主婦だった母が定年後の父のことを、たまに自分に愚痴る。
そこだよ。専業主婦なんて地獄。何が幸せだ。
何が悪いのかなんて知らないけど、やりたいことできない人間なんて生きるの辛いだけなんて。

どうにかベストを尽くしているけど。教育費がかけられるかどうかが、進路につながるのだから、富裕層だけが、昔からの上流階級が、裕福であり続けて、下層から吸い取っている。
子供に恨まれるかもしれない、殺されないようにするにはどうしたらいいか。親族同士で殺されるわけ。
貧困になって何も楽しいことできずに死ぬのか。

親にされた仕打ちで恨んでる人なんてゴロゴロいる。母だってそうだ。祖母とは会わないっていうし兄弟とも仲が悪い。
自分は兄弟なんてなくてよかった。子供産んだ時にもう一人産めるかどうかと考えたがあまりの出産の死ぬ思いだったのでもう無理だし。一人でよくないなんてことない。
仲のいい親兄弟がある人もいるけど。じゃあ子供に恨まれないようにするには、家族が安心するには。

普通がよくわからない。従来思ってた働き続けて子供いてというのが自分には高い理想で無理だった。よくわからないが、夢のハードルが下がって、生きることそのものが夢なのか。と思う。
それも幻想なのか。諦めすぎてるのかわからない。17の時に卒業したら死ぬしかないと思い込んでたのと同じか。どこの時点で諦めるか。

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筋肉少女帯「おまけのいちにち(闘いの日々)」

アルバム購入して一通り聴いたところで、思ったことをさらっと書こうと思います。きっとまた、聴き続けたりライブで何度か聞くと印象も変わってきたりするのだろうな、と楽しみ。何よりも、新曲を迎えて聴いて、ライブで聴きたい!楽しみ。とワクワクする気持ちが起きるっていうことが嬉しい。それがまだ終わらないということが幸せ。
昔を振り返ると、出会った高校生の頃に迎えたアルバムでワクワクした気持ちが、同じバンドで今も続いてるということがすごい。そういうバンドはまだ他にもいるけど(人間椅子がそうだし)、筋少は一度止まっているから、もう終わりだって絶望的になった。もう出ないんだって思って。その時に思っていたのは、筋少はもっと素晴らしい曲を出せるはずなのに。これで終わってしまうのかと。
そんなに大ヒットしたわけじゃないから、このまま時が経ったらCDも廃盤になって世の中から忘れ去られてしまうんだろうか。と寂しく思っていた。でも全然違ってた。こんなに筋少は多くの人に聴かれていて影響を受けたクリエイターがどんどん世の中に出て行って、筋少好きなことをさらに下の世代が知って聴くようになった。
そして復活して、新曲を出すようになってそれを聴いた時に、一度私が諦めて区切りをつけるのに自分なりに面倒で時間がかかったこと、過去のアルバム再発だけじゃなくて、新曲で新たに進んでいくんだって。それがまた心を揺さぶられて好きになったこと。あの時に思ってたことが終わりじゃなかったんだと思った。
復活してから、新曲が次々に出て、ますますその思いは強く確信的なものになっていった。復活した当初は、そんなに長くは続かないんじゃないか、昔からのファンは歳をとって、新曲なんて興味ないと離れていくんじゃないかって思ったのだけど、新しく入ってくるファンが増えたし、私は好きな気持ちは冷めることはなかった。

どうしてだろう、離れていくファンがもう筋少聞かないっていうと、自分が否定されたみたいに悲しくなってしまう。もう他の人のことは気にしないとは思うけれど。
でも、復活後からの若いファンがとても熱狂してる様子を見ると、昔の自分みたいだと微笑ましくなってとても嬉しい。
そうして去年から1年で、新しいアルバムである。もう、前と違うとか比べるとか、私はそんなことじゃなくて、いつでもそうだった、予想や心配なんて吹っ飛ばされる。
もちろん、出会った若い頃の曲は、その時にしか経験できないもので、思い入れが深いのは、比べるものとかじゃない。じゃあなんだろうっていうと、筋少にだけ関して言えば、きっとこうなんだ。
よく大槻の歌詞が昔と違うから良くないとか言われるけど、そうじゃなくて時が経って多くの経験をしている。世の中は変わっている。普遍性があるところもある。年を重ねてきてる変化が面白くて惹かれるんだ。自分が筋少と同じ時を進んでいるから。惹かれ続けているのは、生き様を表しているから。

発売直後のインタビューで制作時のエピソードなどを知ると、なるほどと思う。昭和40、50年代がテーマという。1980年代風ののきらびやかさがあった前2作から、揺り戻したんだなって。今の流行りの音楽はボカロっぽいボーカル加工したのとか、メタルでもモダンっぽいの(詳しくないけどベビメタとかディルアングレイみたいな)を取り入れる感じもないと思った。
内田さんの曲を前作よりも増やしたのも、雰囲気を前作と変えることだったみたいで、内田さん曲らしい重めのダークな雰囲気が濃くなっている。そうしたかったんだな、アニソン路線だけじゃなくて(笑)懐が深いというか引き出しが多すぎるというか、言葉で上手く言えない。
カバー曲を含めて、アルバム1枚の作品として聴くことを大事にしているのをやめない、そうし続けていることが嬉しい。

01. 大都会のテーマ (TVサイズ)

最初にインスト版を聴いてそのままかと思ったら、コーラスが入っててかっこいい!って思った。昭和生まれだけどこのドラマの時代はまだ知らない。(その後の西武警察か太陽に吠えろを見てた世代だから。)70年代のどろっとした感じ。物語の導入に。

02. レジテロの夢

橘高さんのリフがかっこいい。悪魔っぽい。歌詞も殺伐としたイメージ。世界中で起きているテロ戦争、レジスタンスとどう違うのか、どちらとも言えずわからない、昔も今も起きている。どうしても市街戦でランチャーって出てくると、もう今やってるスプラトゥーンの画面が浮かんでしまうので、きっとずっとこの先もこのイメージが離れないと思う。(笑)ラストでガラッと曲調が変わるのが特撮の曲も思い出した。夢うつつっていう雰囲気を出している。世界観が広い。

03. 混ぜるな危険

勢いに乗って、シングル曲がここに。二人が出会ったことで世界がひっくり返るような恐ろしさ、地獄が天国に変わるような感じ。ライブで初聴きした時に中盤の展開と語りにゾクゾクした。

04. 球体関節人形の夜

野水いおりさんのバージョンを先に聴いた時は、橘高さん曲のX.Y.Z.→Aっぽいのだなって思ってたけど、筋少バージョンだと筋少になって同じ曲でもまた印象が変わってる。激しくかつ切ない少女視点のストーリーは筋少曲の特徴の大きな要素でもある。幻想なのかリアルなのか。違いはどこなのか本当は同じなのか。

05. 枕投げ営業

おいちゃん曲のアルバム初出しは今回この曲だけ。おいちゃん曲だー!って全面に出て走り出すような。キャッチーですぐ口づさみたくなる歌詞と曲。こっちはまたもう一つのオーケン得意の少女視点のストーリー。曲のイメージも80年代のアイドル、女子も男子も3人組で踊るやつ(笑)それでアイドル運動会でプールサイドで歌うやつ(笑)今のAKB系とかよりも、おニャン子ユニットの感じだなぁって思った。

06. LIVE HOUSE

今回は私的にハイライトで(笑)愛に溢れてるでしょ。昔からオーケンのMCネタにされてて、おいちゃんが10代の頃のバンドでやってた、ポップでキャッチーで甘酸っぱい青春の歌っていう、おいちゃん曲が筋少に入る前から言われてた。それが時を経て、復活後の筋少動画のリリース時に昔のライブ映像が話題になってオーケンがウッチーと歌ったのを始めに、ケラさんが有頂天初期メンバーのライブでやりたいって歌った。音源化されてないから、ずっと何かの形で音源化しておいちゃんボーカルで聴きたいなって思ってたのが、まさか筋少の新曲として生まれ変わるなんて、それがすごい嬉しくて。特典CDでだけおいちゃんが歌うのかと思ったら、本編でもおいちゃんとオーケンがデュオでハモってて素敵で。橘高さんの温かいソロが入ってて。これからずっと残って歌い続けてくれると思うとすごく嬉しい。
80年代のバンドブームがまだ初期の頃の空気で狭いライブハウス。想いを寄せるのはちょっと年上の女の子なのかも。後半にかかる歓声っぽい効果は広いステージに出て向かっていく感じに思える。あの頃に行ってみたい。

07. 別の星の物語り

内田さんの曲かと思ったら橘高さんの曲とは!メランコリックな感じ、クラシックギターをつま弾く。ストーリーが高校生の子供がいる女性が元彼にあったっていうのがはっきりわかるので(笑)、どっちもアラフィフだし、70年代歌謡曲っぽさ。マダムがメロメロになりそう。ウッチーが歌うバージョンがまた甘くて良い!これでSMAPが歌ってもいいかもとちょっと想像しました。

08. 私だけの十字架

前作に続きカバーのオーケン気持ちよく歌うシリーズ。これもドラマ特捜最前線の主題歌で、大都会のテーマと合わせて統一した哀愁漂う雰囲気を出している。

09. 大都会のテーマ

ロングバージョンめっちゃかっこいい。これをブリッジにしてさらにディープに潜っていく。

10. 時は来た

これはウッチー曲で重たくアッパーな感じの。聴き覚えあるリフで(笑)掛け声が入るライブが楽しいこと間違いない。ライブの熱気と一体感と、オチちょっとずらしたずっこけ感とか。うっそだよーん!ってウヒャウヒャ笑うところがすごい好き。

11. おわかりいただけただろうか

オカルト番組に定番のワード。恐怖映画の怖い曲調で。そこから語り部が女性に向けて愛を語るという展開になるのが意外性があって、その言葉に心を掴まれた。これこそオーケンの今の想いなんだ。優しくて、迷いがない。悔やんだ過去はやり直せない。未来に不安なことばかりある。でも今この瞬間だけなんだ、今が続いていくんだ。これが長年、作品を出し続けてきた重みと深みなんだって思う。

12. S5040

内田さん曲で、NESS曲にも通じるような感じのアシッドっていうのかな。サイケデリック調の曲。タイムトラベル物の歌詞は特撮でもよく書かれている。前回のゾロ目から続く、運命の二人が過去と未来を行き交うような。昭和の雰囲気もありつつ、もっと幅広い時空へと広がって、過去から世界中で紛争は続き、未来へ世界の終わりはどこなのか、そう思いを巡らせてみる。

13. 夕焼け原風景

アルバム最初のほうの、勢いある曲が筋少の表面だとしたら、裏面はバラードでじんわりと暖かく閉じる。川で夕日を見る二人の風景は前にも「きらめき」で表していた、暖かく好きな人を見つめるシーン。感情こもった泣きのギターに、想いを込めたボーカルにぐっとくる。ライブでもじっくり聴かせてくれそう。

古くもあり、新しくもある。昭和の当時を体験していなくても、楽しめて熱くなったり泣けたりほっこりする。時間飛行をする列車に乗って、過去と未来を行き来できるよう。出会った頃の気持ちに戻る感覚もあるし、今を生きるパワーを出せたりもする。筋少はバンドであるが、それ全体が物語のようで、結成した時から、楽曲からライブから、メンバーの生き様全てが。その中に入って私は物語を見続けているんだと思う。だから憧れてやまない。
いつ自分が死んで消えてしまうか分からない思いもあるし、バンド活動が続けられなくなってしまう時がいつ来るか分からない。物語を見届けていきたい。活動が続けられなくなったとしても、楽曲は永遠に残るし、物語はきっと終わらない。

筋肉少女帯アルバムを振り返る「おまけのいちにち(闘いの日々)」へ至るまで

10月7日に発売のアルバムで、オリジナルアルバム17枚目になるそうです。
発売直前に、デビューアルバムから振り返ってみようと思います。でもどこをテーマにして何を書いたらいいのか、情報が大量に詰まりすぎているから、わからなくなてってしまいます。なるべくシンプルに、自分が聴いてきたこれまでから最新作へ向けての想いということにします。

(1)仏陀L 1988.6.21

(2)SISTER STRAWBERRY 1988.12.21

16歳で、出会いは89年の春。初めて聴いたのはラジオで「キノコパワー」だった。オーケンのANNを偶然聴いてかかった「いくじなし」がきっかけで聴くようになる。
歌詞の物語性、文学、映画、オカルト、漫画、プロレスなどのキーワードがちりばめられている。プログレという音楽は知らなかった。見てはいけないものを見ているような危ない魅力があった。
メンバーの歳は22歳。

(3)猫のテブクロ 1989.7.5

三柴さんが脱退したため、特徴的だったピアノが抜けて橘高・本城のツインギター体制になり初めてのアルバム。
幻想的、SFファンタジー的な歌詞と、ハードロックギターサウンドが入る。「月とテブクロ」で深くて濃い展開の長い曲が好きになり、それがプログレという音楽だと当時ファン仲間になったプログレ好きの人に教えてもらった。
ライブで定番となった「これでいいのだ」は語りのアングラ演劇的な要素も。

(4)サーカス団パノラマ島へ帰る 1990.2.5

バンドブームと「元祖高木ブー伝説」のヒットで急速に人気が出て売れていった時期で、自分もファンとしてのめり込んでいった。橘高さん曲がここから入る。ヘヴィさと切なさが合わさったサウンドが、影のある物語性の歌詞の世界と融合して世界を作り上げてたように思った。「また会えたらいいね」

(5)月光蟲 1990.11.21

さらにダークファンタジーを突き詰めていった作品で、ホラーやオカルト、怖さと悲しさとユーモアが詰まっている世界が広がっている。変拍子とポップさの融合したような「夜歩くプラネタリウム人間」橘高メタル曲の代表となった「イワンのばか」

(6)断罪!断罪!また断罪!! 1991.7.21

インディーズ期のアングラ、フォークっぽさに回帰している所もある。代表曲となったバカバカしくも悲しい「踊るダメ人間」現実逃避願望からの「代わりの男」、「何処へでも行ける切手」の幻想的なイメージ、泣きのアウトロは自分の死ぬ時にずっと流れてて欲しいと思った。

(7)エリーゼのために 1992.5.21

大槻さんの生き様、生きることへの不安・葛藤などがもっとむき出しになってきた歌詞。本城さん曲がここから入り、音楽の広がりと深みがさらに増したように思います。「生きてあげようかな」優しさと切なさ、温かさを感じます。

(8)UFOと恋人 1993.4.25

なんじゃこりゃの代名詞「おサル音頭」から入る、やりたい放題詰め込んだカオス的な感じ。歌詞はバンドブームの終わり、青春の終わり的な悲しさと大人になっていく気持ち、ロックへの愛情が感じられます。
おいちゃん曲のハードでポップな「暴いておやりよドルバッキー」「バトル野郎」、シャッフルでほっこり切ない「きらめき」うっちー曲ズンドコの「俺の罪」ふーみん曲メタルファンタジーの「くるくる少女」当時の筋少の好きな要素が全部含まれてて、活動停止までまず1枚選ぶんだったらこれだと思ってました。

(9)レティクル座妄想 1994.4.21

UFO、オカルト要素をもっとダークにした。暗黒プログレカルトの「ワダチ」、インディーズ期からのモチーフを入れた少女の名前「ノゾミ・カナエ・タマエ」「さらば桃子」「ノゾミのなくならない世界」など、全編に死者の世界が広がる。
活動時期はバンドは移籍して、自分も就職で環境が変わり周りのファン層も入れ替わり、少々筋少からは距離を置いて見ていた。

(10)ステーシーの美術 1996.3.23

大槻さん、橘高さんのソロ活動などがあり2年ほど開いた。大槻さんが少年時に影響を受けたブルース・リーの映画テーマを取り入れる。死者からの再生、蘇った男の曲「トゥルー・ロマンス」小説のテーマとなった「再殺部隊」「リテイク」など、ゾンビ映画へのオマージュ。愛に溢れている。
サウンドはどのジャンルにも寄らない筋少というジャンルが確立されたように思う。

(11)キラキラと輝くもの 1996.12.9

「そして人生は続く」大槻さんが若い頃を振り返り、そして年の離れた少女を見つめる。「小さな恋のメロディ」世界への憎しみはなくなった。「機械」「僕の歌を総て君にやる」信じるもの、心の交流、優しさ。「サーチライト」のカタルシス。歌詞も楽曲も、彼らの生き様そのものであると私は思い、心を寄せていた。

(12)最後の聖戦 1997.10.15

これで終わりなんじゃないかと思ってたが、終わって欲しくない思いもあった。当時、大槻さんがシャーロックホームズを読み直したので、ホームズに関する用語が散りばめられる。おいちゃんサウンドの特徴が際立っている。「カーネーション・リインカネーション」は休止後も大槻さんが歌い続けていた。「ペテン」は当時演奏されなかったが、復活後2014年に17年の時を経て演奏された時、真の輝きを目にできたと思い心から感激でした。

活動休止、次のアルバムまで10年の時が経つ。
復活までは5年ほどの間だったが、休止中は通して聴くのが辛くてできなかった。復活して欲しいと思わなかった。復活すると全く思ってなかった。だから復活した時は嬉しいけれども半信半疑のような気持ちだった。

(13)新人 2007.9.5

2006年末に活動再開して、ベスト盤を出してから、新人バンドとして出直すという気持ちでつけたタイトルだそうです。
私は出産があってライブに行けなかった時期なので、復活当初は前ほどの思い入れもまだ持たずに見ていたが、アルバムを何度かめで聴いた「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」で心を揺さぶられた。
「仲直り」をして、これまで筋少をやってきたことを、丁寧に大切にして、リメイク曲も、三柴さんを再びサポートとして、新しい曲を作っていこうという決意を感じた。「交渉人とロザリア」「愛を撃ち殺せ!」で繋がるストーリーなど、詩の世界も多彩になり魅力が増したように思う。
私は34歳になり、メンバーの年齢は41〜42歳になった。

(14)シーズン2 2009.5.20

復活して懐かしいだけではなくて、まさに新しく惚れ直したように、思いがけずに再び出会った頃の時のように沼にはまって行った。
「ドナドナ」は大人の男の余裕と色気も。「蓮華畑」はさらに歳の離れた若者を暖かく見つめる視点を。「ツアーファイナル」ではライブの楽しさと喜びを。長いキャリアが実を結んだような気がしました。

(15)蔦からまるQの惑星 2010.6.2

新しいファンも続々増えて、現在進行しているバンドとして精力的に活動し続けるようになりました。新曲が次々と生まれて驚きと興奮と喜びに満たされました。
社会の隅で懸命に生きる人々を讃える「アウェー イン ザ ライフ」「暁の戦力外部隊」、「ワインライダー・フォーエバー」ではラップパートをメンバー4人で回すという新しいチャンレジも。

(16)THE SHOW MUST GO ON 2014.10.8

古巣のTOY'Sから徳間ジャパンに移籍、セルフカバーアルバムを出したのちに、4年ぶりに待望のオリジナルアルバム。
タイトルから全てがロックバンドを続けていくという意思表明と思われる。
ももクロの曲をやるの?!と驚いた「労働讃歌」はラップパートが前作よりさらにハイテンポに。他はほぼ全てが新曲で、これでもかとばかりにエネルギーを詰め込み、生き様を見せつけてくれた。ラストの「ニルヴァナ」は世代を超えて受け継がれるファン心理を、カルトとユーモアが絶妙に絡んだオーケン節にして、疾走感溢れるサウンドに乗せて歌うという、これぞ今の筋少なんだと思い私が最も大好きな曲のひとつになった。

そして1年後に出る17枚目。
メンバーの年齢は49〜51歳に。
「おまけのいちにち(闘いの日々)」と題されたアルバム。大槻さんがエッセイのタイトルに「おまけのいちにち(その連続)」とつけていた。もっと遡ると、「おまけの1日」の曲があった。おまけの日々がこれからいつまでも続いていくのかな、そう思った。

私が17歳くらいの頃は、メンバーと歳の近いお姉さんのファンに憧れていた。歳取った今は逆に、上坂すみれさんみたいな若いファンに戻ってやり直したい思いである。無理である。人生はそんな不条理なんである。
ファンになった頃は、50歳になる筋少を想像なんてしなかった。こんな楽しい事長く続かない、すぐ解散してしまうと思ってた。
あれから25年以上経った今も活動していてもっとカッコ良くなって、あの頃よりももっと好きになっているよと、17歳の自分に教えよう。

子供がいるから、生きることを諦めたくないし、生きようとした選択でもある。
考える時間ができたから書ける。できないくらい時間に追われたら考えられない。考え込み過ぎるのは良くないけど、ほどほどに。
小学校2年くらい体があまり丈夫じゃなくて、ラジオやテレビをよく見てた。体も弱くて気も弱いから、いじめられていた。
埼玉の北のほうに越したのが4年生で、体は丈夫になったけど土地柄の違いとかでいじめられてた。つらかったと思うけど忘れた。女子の容姿で順列をつけられる。
男子嫌いで、東京の女子校に通った。
80年代のアイドルソングから、ロックバンドを聴くようになったのが、楽しみだった。
かわいくないと生きれないと、思い込んでいた。
就職氷河期でひどい会社に入ってしまって給料手取り11万からはじまった。
兄弟いないし家庭が複雑でもないが、ひどい家庭の話がたくさん見聞きしているから怖い。でも偶然とか巡り合わせとかで、結婚したらよかった。
専業主婦になりたくなくて、稼げるようになりたかった。出産して5年間で挫折してしまった。頑張ったけどできないこともある。体がおかしくなったのもある。致命傷にならずにすんだ。両親も高齢になってきてまだ健康だけどちょいちょい体調崩したりしてしまう。
諦めることも必要だった。自分で選択をして、誰かに支配されることのないよう。
夢とかあってもなくてもいい。希望を持って。
輝けないけれど。生きるだけでせいいっぱい。
好きなものを大事にする。どこか誰かが嫌われてる、憎まれていることが分かると辛い。いじめられたことの記憶かもしれない。生きるための防御反応であるかもしれない。人々に嫌われるとか、仲良い人がいないことでも、辛いと絶望して死ぬことはない。
子供には生きていて欲しい。希望を持って楽しいことを見つけて、ベストを尽くして生きていきたい。